以前、福島県を車で走っていたとき、道沿いに広がる大規模な工事現場が目に留まりました。そこに掲げられていた「マルト建設」という看板が気になり、調べてみたところ、福島に拠点を置く建設会社であることがわかりました。普段あまり意識しない道路や橋、公共施設といったインフラも、こうした企業の技術と努力によって支えられているのだと改めて実感しました。
私たちの何気ない日常の風景の裏には、多くの人の力があるのですね。
そんな気づきをきっかけに、今回は福島で60年以上にわたって地域とともに歩んできたマルト建設の歴史や魅力に迫ってみたいと思います。長年の経験で培った施工実績や、地元に根差した強みについてご紹介します。
目次
マルト建設とは

マルト建設は、1955年(昭和30年)に「上野土建」として創業して以来、地域とともに歩みながら成長を遂げてきた総合建設企業です。1957年(昭和32年)8月1日に正式な創業日を迎え、1971年(昭和46年)5月26日には法人化。以来、60年以上にわたって地元に根ざした確かな技術と実績を積み重ねてきました。
これまで、道路や橋、上下水道など人々の生活を支えるインフラ整備はもちろんのこと、学校や病院といった公共性の高い施設の建築にも多数携わっています。また、商業施設や工場の新築・改築など民間分野の施工にも積極的に取り組み、多彩なプロジェクトを通じて地域社会の発展に大きく貢献してきました。
地域密着型企業として、土地の特性や気候、環境に応じた設計・施工を行うことで、安全性と品質を高めながら、住民の暮らしを支える“縁の下の力持ち”としての役割を果たしています。長年にわたって積み上げてきた信頼と技術力こそが、マルト建設の最大の強みといえるでしょう。
土木・建築分野の主要実績

マルト建設は道路や橋などのインフラ整備から、学校・病院といった公共施設まで、多彩なプロジェクトで豊富な実績を積んできました。新設や補修工事では独自の工程管理と厳格な安全対策を徹底し、地域住民への影響を最小限に抑えながら着実に施工を進めています。公共性の高い施設においても、規模や用途に応じた施工方法で品質とスケジュールを両立し、「快適な生活を営む空間の創造」という理念のもと、高水準の仕上がりを実現しているのが大きな特長です。
さらに、公共インフラだけでなく、商業施設や工場のような大規模案件にも多数の実績があります。商業施設では安全性・快適性を重視した内外装設計を、工場建設では生産ラインや将来的な拡張を考慮したレイアウト提案を行い、クライアントの要望に沿った施工を提供。重機や資材の調達、工程管理などを一貫して対応できる体制により、設計変更にも柔軟に対応可能です。
こうした強みから、「品質・スピード・安全性」を兼ね備えた建設会社として、地元企業からも高い評価を得ています。
システム建築の特徴とメリット

工場であらかじめ部材を生産し、現場で組み立てるシステム建築は、短工期・低コスト・安定した品質の三拍子がそろう魅力的な建築手法です。マルト建設では、長年培ったノウハウを活かし、システム建築の利点を最大限に引き出して多種多様なニーズに対応。現場作業の大幅な削減により、作業員の安全を確保しながら福島県のような厳しい自然条件下でも高精度な施工を実現しています。
さらに、設計段階から工場生産までを一括管理することで、もし急な設計変更や部材不足が発生してもスムーズにリカバリーが可能。騒音・振動の低減にも効果的で、現場近隣への配慮が必要な場合にも適した工法と言えるでしょう。
短工期・低コストを実現する技術
システム建築は部材を工場で一括生産するため、天候や地形といった不確定要素に左右されにくいのがメリットです。工期やコストを正確に見積もりやすく、予期せぬトラブルによる工事の遅延や費用の増大を抑えられるため、短期間かつリーズナブルに建設を進められます。
大型案件でも工場で精密に加工した部材を使うことで、現場での修正作業を最小限にし、高品質とスピードを両立させています。標準化された設計を基本としつつも、各プロジェクトの要望にあわせて柔軟にアレンジできる点も魅力です。
高い耐久性と設計自由度
システム建築は短工期・低コストというメリットに加え、耐久性や設計の自由度でも優れています。工場で厳格な検査を受けた部材を用いるため、積雪や地震が多い地域でも安心感を持てる建物を提供しやすい点がポイントです。また、工場段階で設備や配管を計画できるので、施主の細かな要望を反映させやすい設計の柔軟性も見逃せません。
マルト建設では、大スパン低層建築(工場・倉庫・スポーツ施設・レジャー施設・店舗など)において、CADでドローイングし、CAMを介して生産ラインへ指示を出すシステム建築を採用。フレキシブルなオーダーメイド感覚を実現しています。耐久性を重視しながらもデザイン性や機能性を損なわない施工を追求し、多くの顧客から高評価を得ているのが特徴です。
マルト建設の品質・環境への取り組みとSDGs宣言

マルト建設は、施工品質や安全対策をしっかり行いつつも、環境への配慮や持続可能な社会づくりにも力を入れています。最近では、SDGs(持続可能な開発目標)の考えを取り入れて、現場の騒音や廃棄物を減らすためのマニュアル作成や、作業員の意識を高める研修などを積極的に実施中。自治体や関連企業との連携も強化しており、災害や緊急時にも素早く対応できる体制を整えています。
さらに、新技術や省エネルギーへの取り組みにも熱心で、地元コミュニティだけでなく地球全体を見据えた経営ビジョンを掲げているのが特徴。これからも地域とともに発展し続ける企業として、さらなる飛躍を目指しています。

画像:マルト建設 公式サイトより
ISO9001・ISO14001取得による品質保証
マルト建設は、国際的な品質規格「ISO9001」と環境規格「ISO14001」を取得し、品質と環境保全の両面で高い水準の管理体制を維持しています。
ISO9001によって、工事の計画から施工まで綿密にチェックを行い、ミスやトラブルを未然に防ぐ仕組みを確立。
ISO14001では、産業廃棄物の削減や資材の再活用など、具体的な数値目標を設定しながら、継続的に環境への負荷を軽減しています。
地域貢献への取り組み
マルト建設は、地域の防災活動への協力や地元への寄付、学校への備品提供など、地域と一体となった社会貢献に積極的に取り組んでいます。
たとえば、令和4年度より、マルト建設は自社所有の採石場を土砂災害訓練用に提供し、継続的に協力を続けています。こうした取り組みが評価され、3月7日の消防記念日には会津坂下消防署より感謝状が贈られました。マルト建設としても、土砂災害への対策は継続が重要と考えており、今後も支援を続けていくようです。
こうした動きは、SDGsが示す「持続可能な社会」の実現に向けたモデルケースとなり、建設業の枠を超えた取り組みとして注目されています。マルト建設は、未来の暮らしと環境を守るために、これからも変わらず前向きに活動を続けていくでしょう。
まとめ
マルト建設は、60年以上をかけて培った総合力と豊富な施工実績を基盤に、土木・建築からシステム建築まで幅広く手がける企業です。ISO9001・ISO14001を活かした品質・環境マネジメントや、SDGsに沿った省エネ・防災対策などを積極的に推進し、地域社会はもちろん、未来の暮らしや環境にも貢献しています。
総合建設企業としての力を一層強化し、福島をはじめ各地で持続可能なまちづくりと経済発展をサポートし続けることでしょう。