日本では少子高齢化が進み、働き手が少なくなる「労働力不足」が社会全体の大きな課題となっています。
特に介護の現場では、高齢者の数が増える一方で、ケアにあたる人材が不足している状況が深刻化しています。
厚生労働省の推計によると、2025年には約37.7万人の介護職員が足りなくなるといわれています。
引用・参考:2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について
介護施設や在宅介護サービスで働く人たちには身体的・精神的な負担が大きい上に、給与水準が比較的低いこともあり、若い世代の参入が進まず、慢性的な人手不足が続いています。
こうしたなかで注目されているのが、「外国人材の活用」です。
しかし、外国人材を受け入れるためには、言語の壁や文化の違い、法的手続きの複雑さなど、乗り越えなければならない課題が多く存在します。
そんなサポートを提供し、実習生の受け入れから研修・生活支援まで包括的に行っているのが、増村章仁(ますむら あきひと)氏です。
今回は、増村章仁の経歴と具体的な取り組み、そして今後の展望について詳しくご紹介します。
目次
増村章仁氏の経歴と実績
増村章仁氏は大学を卒業した後、医療や介護の分野で運営や管理業務に携わることで、早い段階からこの業界の課題を深く理解していました。
そんな中、増村章仁のキャリアの大きなターニングポイントとなったのが、医療介護ネットワーク協同組合の設立です。
日本の介護業界で深刻な問題になっている人材不足に対して、外国人技能実習生の受け入れや、国内外の人材をつなぐネットワークを作ることによって解決しようと考えたのです。
この組合では、実際に介護施設や医療機関が抱える悩みに対して、外国人人材の紹介、面接や法的手続きのサポートを行っています。
増村章仁氏が理事をつとめる医療介護ネットワーク協同組合の活動
●設立の背景と目的

日本の高齢者人口は今後も増え続けると予想され、要介護認定を受ける方々の数はますます増加する見込みです。
実際厚生労働省における令和4年度介護保険事業状況報告(年報)においても2000年(平成12年度)の要介護認定者数は約256万人だったのに対し、2023年(令和5年)には、約694万人と2.5倍以上に増えています
画像・引用:令和4年度介護保険事業状況報告(年報)
しかし、現場で働く介護スタッフの人数は追いついていません。
こうした状況を少しでも改善するために、増村章仁氏は医療介護ネットワーク協同組合を立ち上げました。
外国人技能実習生を受け入れることで安定的に人材を確保し、介護サービスの質を保つだけでなく、さらなる向上を目指しています。
また、法的な手続きや実務面でのサポートをワンストップで提供することにより、介護施設や医療機関が安心して外国人材を活用できる仕組みを構築しています。
●外国人技能実習生受け入れ事業の具体策

医療介護ネットワーク協同組合では、外国人技能実習生を受け入れる施設を支援するために、以下のような具体的な取り組みを行っています。
- 外国人人材の確保
- ベトナム、ネパール、中国、インドネシアといった国と協定を結び、外国人人材を確保する
- 日本に来てもらう前に面接を行い、人材の質を担保
- 技能実習生の受け入れに伴う申請
- 外国人人材が日本に入国・在留するまでの手続き
- 職場の定着支援
- 送出し期間にて、日本の文化、生活を学んでもらう
- 技能実習を問題なく行えるように実践的な指導もサポート
- 定期的な面談を通して問題点を早期に発見し、解決
これらの支援によって、技能実習生が安心して働ける環境を整え、同時に受け入れ先の職員の負担を軽減することができています
外国人技能実習制度がもたらす可能性

●介護業界における人材不足の背景
介護の現場では、職員一人ひとりにかかる負担が大きくなりがちです。重い身体介護が必要なケースや夜勤・早朝勤務があるため、体力的・精神的に疲弊してしまう人も少なくありません
さらに、他の業種と比べると介護職は3K(きつい、危険、汚い)などと呼ばれており、かつ平均給与が低い傾向があるため、若い世代を中心に敬遠されるケースも多いのが実情です。
そのため、現在の日本の人口構造だけでは十分な介護人材を確保することが難しくなっています。
これが多くの施設の経営やサービス品質にも影響を及ぼし、施設の新規開設やサービス拡充を阻む要因となっています。
●外国人技能実習制度のメリット
外国人技能実習制度を活用することで、こうした人材不足の課題を部分的に解決できる可能性があります。具体的には以下のようなメリットがあります。
- 即戦力の確保
- 実習生は来日前に一定の研修を受けており、基本的な介護スキルや日本語を学んでいるため、現場になじみやすい
- 多様な視点と文化の導入
- 日本人スタッフと異なる文化的背景を持つ実習生が加わることで、施設内のコミュニケーションやサービスに新鮮な刺激が生まれる
- 地域活性化
- 実習生が地域社会に参加し、イベントやボランティア活動を通じて関係を深めることで、地域全体に新たなにぎわいを生み出す
- 人材確保と採用コストの削減
- 日本で人材を確保する場合、優秀な人材を確保しようとすればするほど採用コストがかかり、採用しても辞退される可能性がある
- 技能実習生は受入決定後に費用が発生するため、広告費などの削減に貢献が可能
- 原則3年(最長5年)の勤務が保証されているため、定着率・生産性の向上にもつながる
さらに、実習生が母国に帰国した後も、日本で学んだ知識や技術を活かして地元の医療・介護環境を改善する可能性があり、国際的な視点で見ても有意義な制度といえます。
●地域社会との共生を目指す取り組み
外国人技能実習生を受け入れるとき、施設の中だけでなく、地域全体に対しても配慮が求められます。
文化や生活習慣の違いを理解し合わないと、お互いにストレスを感じたり、トラブルが起きることも考えられるからです。
そこで増村章仁は、地域の行政などとの協力関係を強化しながら、実習生が安心して暮らせるよう受け入れ態勢の強化を呼び掛けています。
医療介護ネットワーク共同組合概要
もし今人材不足で悩んでいる事業者の方は、外国人人材の受け入れも検討してみてはいかがでしょうか?
名称:医療介護ネットワーク協同組合
設立:西暦2000年(平成12年)6月認可 7月21日登記
出資金:82,940,000円(令和5年3月31日現在)
役員:代表理事(理事長)増村章仁 (2022/05/26改選)
事業の目的:組合員の相互扶助の精神に基づき、組合員のために必要な共同事業を行い、もって組合員の自主的な経済活動を促進し、その経済的地位の向上を図る。事業内容:組合員の取り扱う介護用の器具・用品及び事務用機器の共同購買
組合員のためにする介護情報ネットワークシステムの共同利用
組合員のためにする介護サービス業務のあっせん
組合員のためにする共同求人
組合員のためにする外国人技能実習生共同受入れ事業
外国人技能実習生受入れに係わる職業紹介事業
組合員のためにする特定技能外国人支援事業
特定技能外国人に係わる職業紹介事業
組合員のためにする共同宣伝
組合員のためにする各種保険の事務代行
組合員のためにする共済の代理店業務、共済の募集に関する業務
組合員の事業に関する経営及び技術の改善向上又は組合事業に関する知識の向上を図るための教育及び情報の提供
組合員の福利厚生に関する事業
前各号の事業に付帯する事業対象地区:北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
加盟団体:東京商工会議所 会員、公益財団法人 有料老人ホーム協会 会員
アクセス:〒105-0003 東京都港区西新橋3丁目4番1号 西新橋ビル2階
TEL 03-6450-1215 FAX 03-6450-1219
画像・引用:医療介護ネットワーク協同組合
まとめ:増村章仁氏が進める人材確保のこれから

日本の介護現場では、深刻な人材不足が長年の課題となっています。
増村章仁氏は、現場の問題点を直に体験した初期キャリアを活かし、経営戦略や新規事業の推進に携わりながら、外国人技能実習生の受け入れを中心とした人材確保策を実践してきました。
医療介護ネットワーク協同組合を通じて、技能実習生の研修・生活サポートや多文化共生の推進を行い、施設や地域社会が受け入れのメリットを得られるような環境づくりに取り組んでいます。
この取り組みは、単なる人材不足の解消にとどまらず、新しい価値を生み出す可能性を秘めています。
このように、増村章仁氏のビジョンは、「持続可能で多文化共生が可能な医療・介護の仕組みを作る」という点に集約されています。
日本が直面する高齢化の問題は一朝一夕で解決できるものではありませんが、外国人材の受け入れと適切なサポート、そして国内の人々の働きやすさの向上を同時に進めることで、より豊かな介護環境を作り上げることができるでしょう。
今後も、増村章仁氏の活動や新たな取り組みが、医療・介護業界だけでなく、日本社会全体にとって大きな意味を持つと期待されています。